志村龍紀 シムハウスフィットネス/トレーニング・ストレッチ・健康雑学

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#86 喉にモノを詰まらせたら 子どもや高齢者の解決法から飲み込む力を鍛える方法まで


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お正月といえば「お餅」ですよね。朝から晩までお餅を食べ続けるのがお正月の使命となります。私も毎年のお正月は、お餅を食べまくることを生きがいに三が日を過ごすと決めております。

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しかし毎年この時期になると、喉にお餅や食べ物を詰まらせてしまい救急搬送されるニュースが必ずありますよね。

下の画像は月別の救急搬送者数のグラフです。

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やはり1月に窒息・窒息誤飲による救急搬送者数は大幅に急増しています。

とくに高齢者は飲み込む力である「嚥下(えんげ)機能」が弱くなっているため、お餅などの弾力・粘り気のあるものを一度に口に入れると飲み込みきれなくなってしまう可能性が高くなります。

 

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下のグラフは、お餅などによって窒息誤飲で救急搬送された人数の内、高齢者とそれ以外の年代の内訳を表したグラフです。

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65歳以上の方の割合が90%以上と、圧倒的に多くなっています。また、「その他」の年代には小さな子どもも多く含まれています。小さな子どもの多くは食べ物ではないものなどを誤って飲み込んでしまった事例が多くなっています。


いずれにしてもノドになにかを詰まらせてしまった場合、近くにいる人の対処法が重要です。また1人のときに喉を詰まらせてしまった場合は自分1人で対処しなければなりません。

今回はそんなときの対処方法と、予防のための飲み込む力を鍛える方法をまとめました。

知っていれば、じぶんや周りの大事な人の命を救える可能性が上がります。


【窒息のサイン】

息ができない・呼吸ができないときは喋ることができないため、緊急事態を周りの人に知らせるすべがありません。そのため近くにいてもすぐに気づけなかったというケースも少なくありません。

そんな状況のときに、万国共通・世界共通で、息ができないときや喉に異物が詰まったときに出る「窒息のサイン」というものがあります。


それが「チョークサイン」です。

↓チョークサインのポーズは下の画像になります。

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年齢も国籍も関係なく、窒息状態・呼吸ができない状態のときに人は首を押さえるようなポーズをします。

私自身これまでの人生でなにかが喉に詰まったときは自然とこのポーズをしていたんじゃないかな?と身に覚えがあります。

他にも、

  • 呼吸音がヒューヒューと音がする
  • 咳(セキ)が出る

などの異変があれば、なにかしらの原因で異物が軌道をふさいでいる可能性があります。

このチョークサインが出ている人がいた場合は、軌道をふさいでしまっている異物を取り除かなければ命の危険もあります。何かしらの処置が必要な状態と言えます。


【窒素は時間との戦い】

窒息で息が吸えなくなり、カラダに酸素が回らなくなると脳にも酸素が回らなくなります。脳に酸素が回らない時間が3〜4分以上になってしまうと脳に重い後遺症が残ってしまう可能性が出てきてしまいます。

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また、心停止の状態では1分ごとに救命率が7〜10%低下していってしまいます。

その状態で5分を過ぎると救命率は50%を下回り、9分を過ぎると10%以下になってしまいます。

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それに比べて、救急車を要請してから現地に到着するまでの時間は東京都内では平均8.6分もかかってしまうため、迅速な救急要請と周りの人の対処が命を救う・重い後遺症を残さないためのカギになります。

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救命救急AEDについては詳しく過去ブログでもまとめていますので、見てみてください。↓ 

tr-support-tatsuki.hatenablog.com


【窒息時の対処法】

窒息時の対処法について、対象者の状態によって対処法が違います。いろいろなケースでの解決方法をまとめていきます。 

 

まずは1分1秒でも早く、救急車の要請が必要になります。

※周りに人がいるなら119番の救急車の要請をお願いしましょう。

※1人しかいない場合は携帯電話・スマートホンをスピーカーにして119番の救急車に要請をしながら対象者を応急処置します。


■腹部突き上げ法(ハイムリック法)

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①対象者を立たせる/座らせる/よつばいにする、いずれかの体勢にします。

②救護者は背後から両脇を通して対象者のみぞおちの少し下〜おへそより上にこぶしを作り親指側を当てます。

③救護者の背中と自分のお腹を密着させて抱き抱えます。

勢いよく素早く手前上方へこぶしでお腹を突き上げます。

⑤何度か繰り返しても異物が取れない場合、次の背部叩打法に切り替えましょう。


妊婦が対象者の場合は流産の危険性があるため腹部突き上げ法はNGです、また高度な肥満者にはお腹に圧がかかりにくいのでその場合も背部叩打法にします。


■背部叩打法

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①対象者をかがませる/座らせる/よつばいにする/横向きに寝かせる、救護者が背中を叩きやすいいずれかの体勢にします。

※立たせる場合は転倒しないように壁に手をつかせてください。

②背後から傷病者の背中(肩甲骨の間)を手の付け根かたい部分で力強く連続で何度か叩いていきます。

③力加減をせず、強くしっかりと叩かないと効果がありません


■小児の場合(小学生〜)

年齢や体格が小さければ小さいほど、腹部突き上げ法では内臓を傷付けてしまう可能性があります。背部叩打法をまずは行い、異物が取れない場合は腹部突き上げ法に切り替えます。

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■幼児・乳児の場合

腹部突き上げ法は内臓を損傷するリスクが高いため、まずは背部叩打法を行います。

叩く際には、自分のヒザを利用していきます。

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①救護者は片膝を立てます。膝の上にうつ伏せで、

乳児の場合は胸からアゴを手で支えてあげる。

幼児の場合はそのまま膝の上にお腹をのせます。

②背中(肩甲骨の間)を強く連続で叩き続けます

③加減して叩いても効果は弱いのでしっかりと叩きます。


■1人のときに詰まった場合

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よつばいから床にお腹〜胸から倒れて、一気に肺から空気を出し、詰まったものを取り除く方法が有効とされます。みぞおち付近にボールなどを置くとさらに成功率が上がると言われています。

ポイントは、お腹〜胸から地面に倒れることです。

※実際わたしも試してみましたが、やはり若干怖さが先行してしまい先に手をついてしまいがちです。

①よつばい姿勢

②両手を一気に万歳をする

③顔を打たないように目線は前へ向ける

④目をつぶって恐怖心をなくす

ことが重要になりそうです。


【喉に詰まらないようにするために】

喉に食べ物・異物を詰まらせないようにするために、注意していくことは

  • 口いっぱいに食べ物を入れない
  • あらかじめ食べやすいサイズにカットする
  • 早食いをせずよく噛んでから飲み込む

ことは普段から意識しておきましょう。

また年代によって喉を詰まらせてしまう物が違うので注意しておいた方が良いものを確認していきましょう。


■12歳未満の子供の場合

・食べ物

あめ玉、ナッツ類、グミ、お肉、など

・異物類

口に入るものならば全て危険があります。下記の画像で子供の口に入ってしまう目安を確認して、子どもの手の届く範囲にはなるべく出しっぱなしにはしないでおきましょう。

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■65歳以上の場合

・食べ物

お餅、パン、お肉、錠剤、など。

65歳以上の場合は食べ物を噛む力や飲み込む力の低下によって喉に詰まりやすい状況に陥ってしまいます。お餅ももちろん注意が必要ですが、通年でお肉を詰まらせてしまう人が非常に多いです。

お肉はしっかり食べやすい大きさにカットして、よく噛んで食べるようにすることで予防になります。


【飲み込む力の鍛え方】

食べ物を飲み込む力のことを「嚥下」といいます。60歳前後を境にこの嚥下機能が衰え始めてしまい、飲み込む力が弱くなっていってしまうことで喉に食べ物・異物が詰まりやすくなってしまいます。

嚥下のメカニズムは下記画像のようになっています。

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①先行期

口に入れる前の、食べ物を口へ運ぶ動作になります。主に視覚によってこれから口に入れるものの大きさや固さ、味などを認知・判断をします。

②口腔準備期

口の中に入れた状態です。ここでゆっくりしっかり咀嚼・よく噛むことを心がけましょう。主に働くのは噛むためにアゴ・ほっぺたの筋肉が働きながら、喉の奥に食べ物がいかないように舌の筋肉で食べ物を噛みやすいところへ運ぶのも舌の筋肉の役割です。

また、食べ物を飲み込みやすい柔らかさと塊に形成していくこともこのタイミングで行われます。

③口腔送り込み期

飲み込む手前の状態です。充分に噛んで容易に飲み込めるサイズになった食べ物を喉の手前まで運んで行きます。主に働くのは舌の筋肉と唇を締める筋肉です。

咽頭期(いんとうき)

食べ物を食道の入り口まで運んでいく状態です。

食道入り口部が大きく広がり、声門が閉じて気管支防御機構が働くのですがこの気管支に誤嚥してしまうことで食べ物の詰まりが起こる原因になります。

⑤食道期

食道内で食べ物は食道の筋肉の働きと重力によってらせん運動をしながら胃まで運ばれていきます。食べ物の逆流を防ぐために食道の筋肉は食べ物が通過したら収縮して弁の役割をしています。

 

この嚥下機能は意識的に鍛えることでその衰えを緩やかにしていくこと・機能を回復させていくことが可能です。


【飲み込む力の鍛え方】


■嚥下訓練

唾液を飲み込む練習をしていきます。ゆっくりと口の中にある唾液を「ごくん」と飲み込む動作を繰り返して行います。口の中で食べ物を飲み込みやすいサイズや柔らかさに形成していく嚥下反射を促していきます。

飲み込む力が弱い場合は、舌を前に突き出した状態でやってみると飲み込む力が意識しやすくなります。


■嚥下体操

口周りや舌、ほっぺた、首周りの体操や運動・マッサージを行っていき、咀嚼と嚥下に必要な筋力を強化していきます。

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上の画像を1つずつポイントをまとめましたので、かくにんしていきましょう。

①鼻から息を吸い、口をすぼめた状態でゆっくり長く息を吐いていく。

②首を上下左右、右向き左向きとゆっくり動かしていく。

③肩を上下に動かして首回りの筋肉をほぐしていく。

④片方ずつ、また両方同時にほっぺたを膨らま全部ていく。緩めて膨らませて、を繰り返す。

⑤唇のカタチを「イー」のカタチと「ウー」のカタチを交互に声に出しながら繰り返す。

⑥両手でほっぺたを回すようにマッサージをする。また親指をアゴの下に当てて押す。

⑦舌を前後、上下左右に動かす。下の図も参考に。

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「パンダのたからもの」という文章を、大きく口を開けてしっかり強く発音していく。


以上が、嚥下機能を取り戻していく強化訓練です。飲み込む力が弱くなれば食べれるものも限られてきてしまいます。いつまでも好きなものを食べるためにはこうした訓練が必要になってくると思います。

なにもせずして、これまで通りのことが出来るほど甘くはありません。人間は必ず衰えていくものなので、意識して取り組まないと加速的に衰えや筋力低下が進んでしまいます

 

【まとめ】

60歳を超えたら、飲み込む力が徐々に衰えるので

  • よく噛む
  • 慌てて食べない
  • 飲み込む力を鍛える運動をする


もし喉に食べ物・異物を詰まらせてしまったら、

  • 背中を強く連続でたたく
  • 腹部を後ろからこぶしで突き上げる


1人のときに喉に詰まった場合、

よつばいから勢いよく床にみぞおち〜お腹を叩きつける。


以上をよく覚えておいて下さい。命を助けられる可能性がある大切な知識です。


 

 

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